フライトレビュー

こんな質問を時々受けます。
「仕事が忙しく、前回アメリカで飛んでから、3年半も過ぎてしまいました。もう飛べないのでしょうか?」
それに対しTetsuは、
「アメリカでBFRつまりフライトレビューを受け、技量と知識の確認をすれば、大丈夫ですから、ご心配なく。」
と答えています。

あなたが取得したパイロットライセンスは、航空法違反などをして停止ないしは剥奪を受けなければ、一生涯有効です。その特権を行使し、機長として合法に飛ぶには、定期的な航空身体検査の更新と、一定期間の経験を満たすことが必要なのですが、それに加え当地アメリカでは、 BFR (Biennial Flight Review) と呼ばれる2年毎に実施される飛行技量再審査制度いわゆるフライトレビューをこなすことが要求されています。

フライトレビューは試験官との試験ではなく、CFIつまりフライトインストラクターとの再訓練、と言う意味合いです。インストラクターの裁量に任されてる面も多いのですが、フライトレビューの内容は、最少1時間の座学と最少1時間の飛行訓練から構成されます。

フライトレビューの座学においては、改正された航空法規の内容の熟知、頻繁に犯される航空法項目、空域定義の正確な理解、 AC (Advice Circular、法的な係わりの無い追加情報冊子) トピックなどの復習を通し、知識の再確認を行います。

フライトレビューにおける飛行訓練は、最低限、飛行技量が安全なレベルを保たれているか否かをチェックします。急旋回、失速、低速飛行、エマージェンシー、フード飛行(計器参照のみの飛行)、交信能力(自己宣言も含む)、そして、最も大切な「他機警戒能力」などがチェック項目です。

無事にフライトレビューを完了し、合格した事実はログブックに裏書され、次の2年間は再び立派なPIC(機長)です。ただし、他に乗客を乗せる場合には、さかのぼって一定期間の飛行経験が必須ですから、お忘れなく。

フライトレビューに関する詳しい内容は、AOPAPilot's Guide to the Flight Reviewを読むと良くわかると思います。またFAAのサイトには、PDF形式ですがリーフレットConducting an Effective Flight Reviewもありますので、よろしければご覧になってください。

また、最近よくある問い合わせは、フライトレビューを受けるのにもTSAの登録が必要かどうか、ということなのですが、現状(2006年6月1日)ではライセンスを持っている日本人が、アメリカで久しぶりに機長として飛ぼうと考えて、BFRを受けようとする場合には、TSAの登録は不要です。

しかしながら、頻繁に飛べなかった場合の技量低下は不可避です。"巧く飛べること"は安全運航と同義語です。乗客としてでも良いですから、滞空時間を増やすチャンスをお見逃しなく。尚、米国では飛行教官達が、航空局検査官や試験官のみならず、その殆どの任務を代行しています。

パイロット(特にペーパーパイロット)を再教育し、安全な運航を行えることを監視すると言う意味では、フライトレビューというのは素晴らしい制度だと思います。日本でも数年前より、自家用操縦士を対象に航空安全講習会が開かれるようになったようですね。講習会を通して知識を再確認するとともに、機会を見つけて技量を維持し、いつまでも安全に空を楽しみましょう。


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