Mt.Evansに登ろう!
デンバー市街地の約50Km西に、Mt.Evans(マウントエバンス)がある。海抜標高が14,264 feet(4350m)もある山だが、その一つの売りは何と言っても、車で頂上直下まで登れることだろう。山頂直下まで行くことの出来るMount Evans Scenic Bywayは、北米大陸で最も標高の高い舗装路であるとのことで、山頂直下の駐車場の高さは14,130 feet(4307m)だ。日本だと北アルプスの乗鞍岳が車で一番高い地点まで登れる山として有名だそうだが、その標高約2700mと比べても、1.5倍以上の高さである。
ちなみにコロラド州第二の都市、コロラド・スプリングスの近くには、自動車のヒルクライムレース等で有名な、Pikes Peak(パイクスピーク)があり、こちらも未舗装路ながら、山頂直下の4300m地点まで車で登ることが出来る。Pikes Peak International Hillclimbや、それに参戦するSuzukiSportのサイトを見ていただければ、コロラド州の山の高さが伝わるかもしれない。
自分も毎年1回、Mt.Evansに登るのが恒例となっている。もちろん車で、だ。
頂上まで続く舗装の道路脇には、山羊やマーモットやチップモンク等がノンビリと生活している。中腹のカフェの窓際では、ハミングバードの群れが見事なホバリングを披露してくれる。4000mを越える山腹で、鷹が頻繁にソアリングしている場面を見かけることも追記しておこう。餌の分布が希薄であろう高高度で、ソアリングとは…。楽しみだけで飛ぶのは人類だけと思っていたのだが、そうではないようだ。
標高1600mのデンバー市街地が30℃を越える日でも、Mount Evans頂上の気温は10℃を下回る。日帰り避暑には最適だ。ただ、気楽に登れるが故に、ご老人達や呼吸器系が必ずしも健全でない人達もやって来てしまう。標高4300mともなれば、気圧は地上の6割しかない。見ていて気の毒だが、気分が悪くなりそこに座り込んでしまう場面もよく見かける。愛煙家にとっても、この標高の高さはなかなか辛いようだ。与圧なしの航空機の場合、14,000feet以上では補助酸素が常時必要とされるのだから、Mt.Evansの山頂では、いとも簡単に高山病になってしまう。一番の対処法は、速やかに下山することなのは言うまでも無い。車であればそれも簡単だ。
上で気圧の低さに関して触れたが、正にその高高度環境を狙って、仕事目的でやってくる人たちも居る。数年前のこと、そこには独VW社のエンブレムをつけた車が、後席にテスターと思しき機械を満載して、Mt.Evans付近でテスト走行をしていた。どうやらディーゼルエンジンの試作車両だったようで、なるほど、コモンレール技術などによってディーゼルエンジンが著しく進化したあの時期と一致している。欧州ではディーゼル車の市場シェアが非常に高いと聞いている。今年のルマン24時間レースでも、アウディのディーゼルエンジン搭載車が、初出場ながら 1st&3rd で勝利したことも記憶に新しい。
また山の話から、車の話に脱線してしまったが、夏のデンバーに来たなら、ぜひ一度は訪れて欲しいのが、Mt.Evansだ。
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